「不況に克つ12の知恵」

「不況に克つ12の知恵」(PHP総合研究所/松下幸之助著)

松下幸之助の著書「不況に克つ12の知恵」は、不況に陥った企業がどのように立ち直っていくかについて、松下幸之助の経験と知恵を基に書かれています。

松下幸之助は、日本の経済界の巨人として知られるが、彼の成功は決して平坦な道のりではありませんでした。彼は、昭和恐慌や第二次世界大戦などの困難な時代を乗り越えて、パナソニックという世界的な企業を築き上げました。

平成2年頃まで現役で仕事一筋で働いてこられた方で、私も影響を受けてきました。この本は、弊社の家電の仕事が、海外にどんどん行ってしまって、仕事が激減した時に買って読んだ本です。

付属のCDで、ご本人の肉声を聞くことができます。やはり活字だけでなく松下幸之助さんの語りには説得感あります。弊社では、朝礼で、付属のCDを流して、社員に考えてもらう時間を作ったこともありました。

目次のタイトルだけ見ても、示唆している内容が、今でもよみがえってきます。
松下幸之助が不況に克つために実践した12の知恵を紹介しています。

1.腹をくくる(覚悟をし、用意をする)
2.志を変えない(決して悲観しない)
3.策は無限にある(商売に行きづまりはない)
4.今は大躍進の絶好のチャンス(発想を百八十度変えてみる)
5.好況よし、不況さらによし(不況のほうがかえって忙しい)
6.不況時こそ人材育成の好機(従業員に生きた教育ができる)
7.一服して英気を養う(慌てふためかずに休むのがいちばん)
8.不況は天然現象ではない(なすべきをなし、なすべからざるをしない)
9.責任はわれにあり(不景気だからうまくいかいないのではない)
10.己を知る(自社の力を正しく判定する)
11.衆知を集めた全員経営(主座を保ちつつ知恵を集める)
12.治に居て乱を忘れず(勝つべくして勝つ)

これらの知恵は、松下幸之助の経験や哲学に基づいていますが、現代のビジネスや社会にも通用するものだと思います。

私は、本書を読んで、不況は必ずしも悪いことではない、むしろ新たなチャンスであるということを学びました。また、不況に立ち向かうためには、冷静な判断をすること、社員の士気を高めること、新しい市場を開拓すること、新しい商品やサービスを開発すること、コストを削減すること、借金を返済すること、政府の支援を活用すること、人々の協力を得ることが重要であるということを学びました。

私は、この本を読んで、松下幸之助の人間性やリーダーシップにも感銘を受けました。彼は、自分だけでなく、社員や顧客や社会のためにも考えて行動していました。

不況に屈せず、常に前進しようとしました。自分の信念や理念を貫いていました。ビジネスマンとしてだけでなく、人間としても尊敬されるべき人物だと思います。

この本は、不況に陥った企業だけでなく、不況を恐れて何もしない企業にも役立つ本だと思います。この本を読むことで、不況に立ち向かうためのヒントを得ることができます。

特にコロナ禍の余波やウクライナ戦争などの混迷の状況にある今のようなご時世に、彼の言葉に励まされたり、ヒントを得たりすることができます。この本は、不況に対する心構えや対策を学びたい人にお薦めです。


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